ブランドの裏側暮らしを彩るさまざまな商品やサービス。その裏側にある思いやこだわりを仕掛け人にインタビュー。

vol.1 ユナイテッド・シネマの空間プロデュース

Profile

秋山訓久Kunihisa Akiyama

ユナイテッド・シネマ株式会社
戦略・開発本部 理事 建築・施設部長

日本のシネコン創業期である1996年から現在まで、デザインディレクターとして全国各地のユナイテッド・シネマの建設を手がけ、時代とともに変化する映画館の歴史を自ら体感してきた。現在も全国を駆け巡りながら、新しい映画館の在り方を追求する日々。

[私にとっての上質な休日]
あれこれと観察しながら街を歩くのが好き。お店のディスプレイや雑誌をチェックしながら、流行を感覚的に自分に取り入れていく時間が何より楽しい。

UNITED CINEMAS

全国20カ所でシネコン(=シネマコンプレックス:複合型映画館)を展開しているユナイテッド・シネマ。近年は「デザインシネマ」というコンセプトのもと、既存の枠組みを超えた新しい映画館の楽しみ方を提案。その独自性のある感性豊かな空間は3年連続グッドデザイン賞を受賞するなど、お客様だけでなく業界内外からも高い評価を得ている。その仕掛け人、秋山訓久氏へのインタビュー。

── 「デザインシネマ」というコンセプトはどこから生まれたのですか?

シネコンはもともと米国からスタートし、日本では90年代の中頃から全国各地に展開が始まりました。これによって観客動員数が増大し、映画館に人を呼び込む場としての新たな可能性が切り開かれたのですが、当初は欧米の映画館のデザインを模したものしかなく、どこへ行っても似たような施設ばかりになってしまいました。映画館のデザインはこのままでいいのだろうかと模索していたところ、2004年にユナイテッド・シネマとしまえんを建設することになり、東京の都心部につくるシネコンとはどうあるべきか、映画館そのものの在り方を問い直す試みを始めたというのが、そのきっかけですね。

── 「映画館の在り方」をどう問い直していったのでしょうか?

映画といえば「エンターテインメント」や「ワクワクドキドキ」といった言葉がすぐ出てきますが、そうした既成概念をあえて断ち切って、「映画の楽しみ方って何だろう?」ということを改めて考えたのが出発点です。たとえば、本や小説を読むような感覚で、気持ちを落ち着かせるために映画館へ行くというのがあってもいい。日常から離れすぎず、そして上質な時間を過ごせる場所として、映画館という場を提供できたらと思ったんですね。

ユナイテッド・シネマとしまえん

── ユナイテッド・シネマとしまえんでは具体的にどんな工夫をしたのですか?

まず外観は、それまでシネコンの代名詞だった派手なネオンをやめて、住宅街にも自然と溶け込むモダンな建築の公共施設をイメージしました。また館内に外光を大胆に取り込んだり、エントランスに当たり前のように敷かれていたカーペットを外したりと、それまでのシネコンの常識では考えられないような設計をしました。他にも、案内表示となるピクトグラムやタイポグラフィ、従業員のユニフォーム、売店のディスプレイ、待合ロビーの装飾等、細部にこだわって一つ一つを洗い直し、映画館という空間全体をコーディネートしていきました。

── その結果、お客様の反応はどうでしたか?

おかげさまで好評をいただきお客様の層が非常に広がりました。地域に溶け込んだ空間として、たとえ映画を見なくても気軽に入ることのできる場所として利用してくださる人が増えたんですね。たとえば散歩の途中でふらっと立ち寄って、ロビーで上映予定を確認して、ちょっとお茶をして、という使い方もここではできるわけです。ユナイテッド・シネマが掲げている「地域に密着して、お客様に信頼され、愛される映画館」を文字通り体現する場所となりました。観客動員数も順調に推移しています。

次のページヘ

ページトップ

Vol.1

ユナイテッド・シネマの
空間プロデュース

Vol.2

暮らしをもっと自由で豊かにする
サミットネットスーパー

Vol.3

新しい花贈り文化の創造に挑む
インターネット花キューピット

Vol.4

住友商事のモノづくりへの
こだわりを集積したマンション
クラッシィハウス

Vol.5

ペット用品の米国No.1ブランド力と
住友商事の総合力を結集
Hartz®(ハーツ)

Vol.6

1粒1粒に生産者の思いがこもったお米
選り米 おばこの匠